リタイア後マレーシアはクアラルンプールに住んでいるトラタロウです。2023年5月に一時帰国した時に、実家の仙台から岩手の盛岡まで自転車で旅行してみました。
仙台ー盛岡は約200km、レースに出るレベルのロードレーサー乗りなら1日かからないで行ける距離。トラタロウでも頑張れば1日半でOKですが、それではただ走っているだけですね。所々で観光しながらのんびり走ります。
半年ぶりの愛車です
走行予定
初日…仙台~一関
2日目…平泉~花巻
3日目…花巻~盛岡
最終日…盛岡市内観光、新幹線輪行で帰仙
前回の自転車旅行・九州一周はキャンプ道具を積み込んで半分はテント泊。宿代節約にはなりましたが、荷物が多すぎ。
車体重量10kgの自転車にそれ以上の荷物(キャンプ用品、輪行用品、修理・予備部品、着替え、水など)を積むと重くて、ロードベースの自転車なのに15km/hぐらいしか速度が出ませんでした。
今回は3泊4日なので安い宿に泊まり、荷物を減らします。
使用バイクはケストレル・カーボン車体&デュラエースのロードレーサー、購入価格40万円。
でも18年も使っている代物です。キャリアーを付けてパニア・バック装着、ハンドルを高め、サドルを柔らかめにして長距離仕様に改造してあります。
実家に預けて半年乗っていませんでしたが、ハンドル、サドル、機関部をビニール袋で覆っていたのでそんなに痛んではないようです。
問題はトラタロウが半年ロードレーサーに乗っていない方ですね。
18年間の走行距離は79268km。ほぼ地球2周分です。
地球一周は約4万キロ。子午線(北極点ー南極点ー北極点を結ぶ線)の4千万の1を1mとしたからです。
実際には測る場所(海や山で影響あり)で少し違うし、赤道の線は4万75キロ(地球は回転しているので、少し膨れるから)になります。
とりあえず大崎方面に北上します
2023年(令和5年)5/11(木)
通勤ラッシュの国道4号線を北上します。電動アシスト自転車の女子高生に抜かれますが気にしません。電動アシスト自転車バカにならない速さですから。
トラタロウの記憶では古川市だったのに大崎市になっている? 調べたら2006年に旧古川市と周辺が合併されて大崎市になったみたい。30年以上別の土地に暮らしていたので知りませんでした。大崎市の中心部として古川の地名も残るが。
宮城あるある。いろいろなキャラクターにご当地武将である伊達政宗のかっこうをさせたがる。当地のドン・キホーテではドンペンも政宗スタイルです。
金成(かねなり)の知られざる歴史的建築物を見た
仙台~一関の4号線沿いには、これはぜひ見たいという見所がありません。今日は一関までただ走るだけかと思ったら栗原市の金成という所で昔の小学校が保存されている、というのを観光案内図で発見。
あまり期待もせずに寄ってみたら、なかなか良い建物。周辺にも興味深い建物が残っています。
旧金成小学校校舎
明治43年に建てられた和洋折衷の疑洋風校舎です。長さ23.6m、幅12.7m、高さ11.3mとなかなかの規模。
まだ洋風建築の技術など普及していなかった時代、当時の大工・職人が知恵を絞って建てた感じが伝わります。
木造のこんな建物が保存されているのもすごい。現在は内部は歴史民俗資料館。
日枝神社(ひえじんじゃ)
旧小学校校舎の近くにある古びた神社と思ったら本気で古い。拝殿は江戸時代末期、本殿にいたっては桃山~江戸初期(450年くらい前)の建立らしい。
金成ハリストス教会
教会らしき建物が見えたので行ってみると、日本では珍しい東方正教の教会だった。キリスト教主要3派(カトリック、プロテスタント、正教会)のひとつだが、ギリシャ~ロシアが中心で日本には少ない。東京神田のニコライ堂は有名。
※ 日本正教会のHP に移動します
こんなに良い歴史的建築物が残っているのに全然観光化されていません。栗原市のオススメ観光地10選とかにものってなかった。ぜひとも行ってみる場所ですね。
今夜の泊りは一関(いちのせき)
岩手県に入りました。最初の都市が一関です。
鬼死骸停留場…なにこれ?
市内に入る前に「なにこれ?」というバス停を発見。
坂上田村麻呂が大武丸(おおたけまる)という鬼を征伐した、という伝説がありその死骸が埋められたとゆう伝説の地。かつて鬼死骸村がありましたが、近年『鬼滅の刃』のヒットなどにあやかろうと同名のバス停を整備したとか。
18:30に一関到着。走行距離100.3km、11時間ほどかけてのんびり来ました。実質走行時間は6時間40分ほど。平均速度は15.1Km/時間でした。
世界遺産・平泉を周る
2023年(令和5年)5/12(金)
8:30 一関を出て4号線にもどり平泉へ。10Kmほどなので、ゆっくり行っても1時間もかからない。
平泉はどんなところ?
岩手県南西部に位置する平泉は、平安時代末期に奥州藤原氏による奥州支配の本拠地。藤原清衡(ふじわらのきよひら)から4代泰衡(やすひら)にかけて砂金や北方貿易で栄え、奥州十七万騎と称される武力を背景に半独立勢力として奥州を支配しました。
源平合戦時代に源義経をかくまい、その終焉の地としてもしられますが、仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群 として2011年に世界遺産に登録されています。
極楽浄土は毛越寺(もうつうじ)にあり
毛越寺は天台宗の寺院として最澄(さいちょう)の弟子円仁(えんにん)により850年に開山されます。山号は医王山、本尊は薬師如来、堂宇は2代藤原基衡(ふじわらのもとひら)による建立。その庭園は仏国土(浄土)を表す浄土式庭園として有名。
山号を知ってますか?
毛越寺は薬師如来をご本尊とする寺院らしく山号は医王山、「医王山毛越寺」になります。
山号とは仏教寺院につける尊称。有名な所は「比叡山延暦寺」、「高野山金剛峰寺」などで山号だけでどの寺院か分かるほど。この二カ所は実際にある山ですが、山が無くても山号はつきます。東京の浅草寺は平地にありますが「金龍山浅草寺」です。
もとは中国で仏教寺院が増えた際に同名の寺院を区別するための制度でした。日本では山岳が神聖な場所、修行の場所という認識があったため、尊称としてつけられることになりました。新しくお寺を作ることを開山と言いますし、お寺の門は山門と呼ばれます。お寺のことを山門と呼ぶ場合もあります。
現在はすべての寺院に山号があるとは限りませんが、たいがいあります。寺院の前を通る機会がありましたら山号も確認されてみてはいかがですか。
柳之御所遺跡
北上川沿いの高台に広がる遺構で、藤原清衡・基衡の屋敷跡と思われていましたが、発掘調査の結果、平泉館(政庁)の可能性が高くなってきました。2010年に整備され史跡公園として公開されています。
汚物廃棄穴群はトイレの汚物の最終処理場。ここの土を分析すると寄生虫の卵や花粉などが検出され、当時の人の病気や食生活を調べることができる。いわゆるトイレ考古学です。
※ トイレ考古学については えさし郷土文化館のコラム を見てください
中尊寺で金色堂を見た
中尊寺は天台宗東北大本山、山号は関山、ご本尊は釈迦如来。毛越寺と同じく円仁の開山で藤原氏、源氏の厚い保護を受けて栄えます。多くの伽藍(がらん・寺院の建物)がありますが、奥州藤原4代の遺体が眠る金色堂が有名で、平泉観光のメインと言えます。
金色堂は1124年に建立された一辺5.5mの小型仏堂。浄土世界を表す建築で総金箔貼り、螺鈿、蒔絵で飾られています。阿弥陀如来、諸菩薩、天部が配された須弥壇(しゅみだん・本尊を安置する場所)の内部にミイラ処置された藤原4代の遺体が安置されている。
※ 中尊寺HP に移動します
旅行にいったら写真は絶対取りましょう!
実は平泉は40年近く昔に大学の友人たちと行っていました。でも全然覚えていません。今回はほぼ初めて来たも同然です。
3~4年なら写真など無くても記憶は鮮明ですが、30~40年もたてば記憶もおぼろげになり、写真が唯一の記憶代わりになってしまいます。
今回盛岡で一緒に平泉に行った友人の一人と会いましたが、彼は写真を撮っていたのでトラタロウよりもよほど覚えていました。
あとは花巻に行くばかり
13:00に平泉を出発。今日の宿泊予定地の花巻まで50Kmほどで楽勝なはずですが、半年ロードに乗っていなかったのでお尻が痛い。
市内いたる所に宮沢賢治ゆかりの地、関係するお店がある。
本日の走行距離は66.4Km、走行時間4時間25分、平均速度15Km/時間
これにて 行けるかな自転車旅行・東北岩手(上)平泉編 は完結です
(下)盛岡編 に続きます(まだ作ってないけど)
コメント