九州上陸地の福岡を出発して16日目、再び福岡県に戻ってきました。大宰府や一部地域を除いて、福岡の観光はあまり経験が無いので色々周ってみたいです。
※ トップ画像は関門橋
門司と下関をまわります
早朝の門司港レトロを走りました
2022年(令和4年)4月21日(木)
昨日夕刻に福岡県に入り、行橋(いくはし)まで走りテント泊。
未明に出発し、32km走って7:30に門司港レトロ着。どの建物も開いてないけど自転車で走って周ります。
門司港は明治~昭和初期にかけて、大陸貿易・外国航路の拠点、九州への玄関口として栄え、日本三大港(他は横浜、神戸)と呼ばれました。戦後は大陸貿易の縮小、関門トンネルの開通等で港機能は縮小しましたが、1995年から新観光地としてオープン。
※公式門司港レトロインフォメーション
に移動します
他の建物が閉まっている早朝でも開いているレトロ建築が門司港駅。そりゃJRの現役駅ですから当然ですね。1914年に建てられたルネサンス様式の建物で、鉄道駅舎として初めて重要文化財に指定されました。
関門海峡を自転車で渡る
1973年(昭和48年)にできたのが全長1068mの関門橋。意外にも関門トンネルの方が1958年(昭和33年)と先にできていた。
そしてあまり知られてないのが関門トンネル人道。歩いて関門海峡を渡れます。長さ780m、徒歩無料、自転車・原付(押して歩く)が¥20。
※ ふと気づいた。「関門」って下関と門司だから? ゲートの意味だと思っていた。
下関もちょっと見てみました
壇ノ浦は日本史教科書に2回登場します。1回目は源平合戦の最終決戦である壇ノ浦の戦い。2回目は幕末に長州藩が欧州列強4ヶ国艦隊に砲撃戦をいどんだ馬関戦争。関門トンネル人道を出た正面にあるみもすそ川公園に史跡碑があります。
唐戸(からと)市場周辺に見所が集中しています。
※ 下関市公式観光サイト に移動します
関門トンネル人道で門司側に戻ってもよいが、唐戸桟橋から門司港レトロに行く連絡船があったので利用する。巌流島に行く船もあるみたい。巌流島は現在公園として整備されています。
※ 巌流島観光に関するサイト に移動します
初めて来ました小倉です
門司を出るとあいにくの雨。一路小倉(北九州市)に向かいました。何回か九州に来ていても、小倉は通過するのみで訪れるのは初めてです。走っていると前方に見たことがある高い塔が…これは!
なんとイタリアはヴェネツィアにあるサンマルコ寺院と大鐘楼ではありませんか。寺院と大鐘楼の位置関係や寺院の装飾等はちがいますが、ほぼ実物大のレプリカ。アモーレヴォレ・サンマルコという結婚式場。スケールでかいな。
アモーレヴォレ・サンマルコ公式HPに移動します
サン(聖)マルコとはキリストの言動を伝える福音書を残した4人の弟子(他はルカ、マタイ、ヨハネ)の一人。エジプトにあった遺体がヴェネツィアにもたらされ、守護聖人となっている。格はものすごく高いはず。
こんなのに使っていいのかな?
北九州市と言われてもよそ者にはピンとこない。1963年に小倉市と周辺4市が合併してできたが、小倉(こくら)と呼ぶほうが認識しやすい。福岡市に次いで人口が多く、政令指定都市となっている。
北九州市漫画ミュージアムが新たな名所。松本零士、わたせせいぞう、北条司など北九州市ゆかりの漫画家が多い。小倉駅のすぐ北側、あるあるCityにあります。
行ってみたら漫画・アニメのショップも沢山ありました。
※ 北九州市漫画ミュージアムのHP に移動します
デパ地下にあったので高級スーパーかと思ったが、意外にも安売りスーパーだった。見切り品お惣菜で夕食とする。
マカロニサラダ¥130、助六¥199、エビマヨ¥413
2022年(令和4年)4月22日(金)
小倉で行ってみたかったのが旦過市場(たんがいちば)。大正から始まる市場で狭い地域に120以上の小店舗が密集する北九州市の台所。しかし数日前(4月19日)に大規模火災が発生して封鎖されていた。なんてこったい。
※ 旦過市場のHP に移動します
小倉城に寄りました。1602年に細川忠興が造った天守閣は焼失したが、1959年に再建。小倉城は九州の諸大名を監視する要衝であるため、譜代大名である小笠原氏が配されました。
神宿る島が見れるかな・宗像(むなかた)
北九州市を出て3号線を西に向かい、約4時間で宗像市の辺津宮に着く。世界遺産に認定された「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群がある。3つの神社(総称が宗像大社)に祀られる宗像三女神信仰は4世紀から続いており、固有の信仰と祀りが文化遺産として評価された。
宗像大社の一つ、本土にある辺津宮(へつぐう)は市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)が祀られる。
宗像市の北西にある神津(こうのつ)の港からフェリーで大島に渡る。片道\570.
宗像大社のひとつ中津宮と沖津宮遙拝所があるのです。
沖津宮(おきつぐう)は田心姫神(たごひめのかみ)を祀るが、沖合60kmの沖津島にあり、女人禁制、神職と許可を得た研究者しか上陸を許されない。大島の北に設けられた沖津宮遙拝所から拝むのみ。
大島の南にある中津宮は端津姫神(たぎつひめのかみ)を祀る。
初めて電動アシスト自転車に乗りました。声を大にして言いたい「すごく楽しい」と。
漕ぎはじめのひと踏みと坂道での電動アシスをしてくれるが、すごく楽ちん。特に坂道はロードレーサーでさえたじろぐような急坂をヒョイヒョイと登ってくれるので感動ものです。
もっと年を取ってロードに乗れなくなっても電動アシスト自転車ならいけそうです。
最後のシメは福岡市
志賀島といえば金印です
2022年(令和4年)4月24日(日)
早朝に宗像を出て、福岡市中心部に入る前に志賀島に行ってみます。博多湾の北側に伸びる長さ8km、最大幅2.5kmの砂州がリゾート地となる海ノ中道。その先端にあるのが志賀島で金印が発見されたとされる場所です。
金印とは何?
中国の皇帝が周辺の王や有力者を臣下として認めた証です。志賀島で発見された金印には漢委奴国王印(かんのわのなのこくおういん、読み方所説あり)と刻まれています。
金印を授かると良いことがありました。
①周辺の勢力に対しての威信が上昇。中国皇帝のお墨付きですから。
②皇帝に朝貢(贈り物)をすると豪華な返礼品がきます。最先端の中国製品(銅鏡など)が3倍返し、かどうか知りませんが、贈った以上の物がもらえるのはたしか。皇帝もメンツがありますので。
志賀島を一周(約10km)したあと福岡市中心部に入り、地下鉄駅に近い宿に泊まりました。
夜の中州とキャナルシティ博多
地下鉄で中州に出かけます。市内を流れる那珂川と博多川の間にできた中州にある繁華街。中州にあるので名前もそのまま中州ですね。西日本最大といわれる繁華街です。
※ 中州観光協会のオフィシャルHP に移動します
元寇防塁(石築地)を見にいこう
博多は1274年と1281年の二回にわたる元(モンゴル)軍の侵攻(元寇)を迎えた地。元軍の上陸を阻止するため沿岸に石垣が築かれ元寇防塁(げんこうぼうるい)、古くは石築地(いしついじ)と呼ばれた。いくつかの地点で見られるが、福岡市の西にある生の松原(いきのまつばら)に行ってみた。
トンコツラーメンはいくつものスタイルがあるが、細麺、替え玉、バリカタなどの源流が魚市場のある福岡市長浜で生まれた長浜ラーメン。長浜を通ったので朝食にする。…長い間、滋賀県の長浜だと思っていた!
博多湾の西側にある生の松原は肥後の国の軍勢により石築地が整備され蒙古軍を迎え撃った地。有名な『蒙古襲来絵詞』(もうこしゅうらいえことば)の竹崎季長(たけさきすえなが)の奮戦図もここが舞台。
蒙古防塁のすきまがコンクリで埋められていたので愕然とする。文化財にこんな補修でいいのか。実は本物の防塁は年月と共に多くは地中に埋まり、保全のため埋めたまま。ここに公開されている物は復元みたい。
※ 代表的な蒙古防塁を紹介するブログ に移動します
本物の金印は福岡市博物館で
海岸線を埋め立てて造られたシーサイドももちの中心部に作られた福岡市博物館のメインは金印。発見者から黒田家に献上され、長らく黒田家所有だったが1978年福岡市に寄贈された。暗い部屋で展示されていたので写真はうまく撮れなかった。2.3cmで108gの金製品。
民謡「黒田節」に登場する大身の槍(刃が30センチ以上の槍)「日本号」が展示されていた。実在したんだ、現存するんだ、驚いた。
初日に泊まったプラザホテル天神(一泊\2750)に宿泊。ロケーションも良く、週末以外はリーズナブルな価格。
福岡市は昔は武士の街・福岡と商人や町人の街・博多に分かれていました。福岡は黒田家の出身地である備前国福岡荘(岡山県南東部)に由来する説と、元からあった地名とする説があるようです。今の天神は武士の街でしたが、今は福岡を代表する繁華街の一つとなっています。
※ 福岡の由来に関するブログ に移動します
福岡城と古代迎賓館の鴻臚館(こうろかん)
2022年(令和4年)4月25日(月)
明日は早朝から空港に行くので、今日が事実上の最終日。福岡市を楽しみます。
福岡城(舞鶴城)は1600年の関ケ原の戦いで、東軍について筑前52万石を与えられた黒田長政が築きました。大領にふさわしい大きな城で建物はあまり残っていませんが、中心部は舞鶴公園として残され、遺構がよく保存されています。天神から近いが、広いので歩いて全部まわると大変。自転車がベストです。
※ 【公式】福岡城・鴻臚館のサイト に移動します
舞鶴公園の東に位置する鴻臚館(こうろかん)跡展示館。飛鳥~平安時代に使われた外交施設で、海外からの使節団・商人、遣唐使などの迎賓館でした。1987年(昭和62年)に発見され、発掘調査が続いています。
※ 鴻臚館跡展示館は入場無料。福岡市博物館も¥200と安く福岡市太っ腹!
と思ったが独自の宿泊税を一泊¥200取ります。
オープン初日のららぽーとでガンダムを見た
複合商業施設ららぽーと福岡の前で、実物大ガンダムが展示されるというので出かけてみました。行ったら平日だというのにバカに人出が多い。ららぽーと福岡のオープン初日でした。知らなかった。
初代ガンダム(一年戦争の時代ですね)はトラタロウの高校時代に放映され、これはほぼ見ているので分かりますが、その後のシリーズはさっぱり。この展示は『逆襲のシャア』に出てくるガンダムらしい。
今年の9月にマレーシアの首都・クアラルンプールに行ったら「ららぽーとブキビンタン店」ができていました。ガンダムはありません。
柳橋連合市場と川端商店街はレトロな雰囲気
大都会の真ん中にある昔ながらの市場が柳橋連合市場。昭和の初め頃に始まり、現在も30あまりの店舗が密集している「博多の台所」に行ってみた。なかなか興味深い専門店があります。
※ 柳橋連合市場のHP に移動します
川端通商店街は博多川の横400mにわたって続くアーケード商店街。近くには中州、キャナルシティ博多などの歓楽街・商業地区があるが、ここは昔ながらの店も多く、のんびりした雰囲気。
※ 川端通商店街のHP に移動します
川端通商店街の南にある櫛田神社(くしだじんじゃ)は7月の博多祇園山笠、10月の博多おくんちなどの祭りで有名。5月の博多どんたくの出発点でもある。
旅の終わりとおまけ画像
2022年(令和4年)4月26日(火)
午前のフライトで福岡から名古屋に飛びます。自転車で空港まで行くつもりでしたが、雨が降ってきたのであきらめました。天神の近くにある地下鉄赤坂駅で自転車をバラして輪行バックへ収納。
無事家に帰りつきました。
21泊22日の自転車旅行で、走行距離は1469km。
総費用は12万8320円でした。
航空券(名古屋ー福岡)1万9450円
宿泊費(10日分、あとはテント泊)3万2178円
食費・観光・フェリー・電車等交通費・雑費で7万6692円
10年くらいしたらまた九州に行ってみたいです。その時も自転車で行けるかな?
おまけ画像
使わなかったけれども、印象に残った風景です。
※ ご覧いただきありがとうございました。海外旅行記や世界のB級グルメもお楽しみください。
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