いよいよミャンマーに入国しますが、2回目のミャンマー入りです。でも前回は2001年(平成13年)と18年も前でした。当時はアウンサンスーチー女史は軟禁中、ヴィザは必須、外国人入国者は強制両替させられる、とバリバリの軍政で半鎖国状態。
最近は民主化し、旅行もしやすい国になったというので再度訪問してみます。
モーラミャイ編、見所が多く、ちょっと長くなりました。
※ ミャンマー通貨1000チャット=¥73.5 で計算しています
ミャンマー国境の街ミャワデー(Myawaddy)に入ります
タイ出国・ミャンマー入国、国境の街を拝見
2019年(令和元年)12月24日(火)
お宿からソウテンで20分ほど。国境のタイ側イミグレーションに着きました。国境の市場街ができていて、面白そうでしたが、ミャンマーに入ってから移動があるので見物している余裕がないのが残念。出国はけっこう混んでいて長蛇の列、40分ぐらいかかった。
タイを出国して両国の国境となっているムーイ川にかかる友好橋を渡る。対岸は当然ながらミャンマー領。
川の上では渡し舟が行き来して両国の住民を運んでいました。出入国管理どうなってんだ?どうもタイ・ミャンマー人は近距離の行き来はフリーみたい。
インド・ネパール国境にもそんな所がありました。
去年は日本人は試験的にヴィザ免除になり、今年それは1年間延長。このままなし崩し的にノーヴィザになるのでは、と期待していましたがクーデターでどうでもよくなりました。当分行ける状態じゃない。
ミャンマー側の出入国管理はタイ人以外の外国人ブースがあったので10分で終了。
※バスチケット販売、乗合タクシー乗り場は国境検問所を出てすぐの所にあります。
ミャワデイの街は貿易で栄えているため思ったよりもきれい。両替屋をさがすが、街の奥に行くほどレートが良くなっていくのがお約束。
小さな市場通りに入ると、タナカを塗った女性やお坊さんの姿があってミャンマーらしい。
モウラミャインへの道
目的地モウラミャイン(Mawlamyaing)に行くにはローカルバスもあるようだが、早く着きたいので最速であろう乗合タクシーを利用。1人1万チャット(¥735)。前席は子供を抱えた現地人のおかあさん。先人の記録だと8時間かかった例があるが、約120キロ何時間で着くかな。
街を出て山道に入るが、きれいに舗装された新しい道路ですごい楽。18年前のミャンマーで一番大変だったのが道路が未舗装だったこと。ヤンゴンから夜行バスでバガンに向かったのだが、都市圏を離れると未舗装になって、遅いわ揺れるわ大変でした。
日本も援助に加わっているらしいが、今は幹線道路はかなり舗装されているようだ。日本や先進国ではアウトドア活動でもしない限り、長時間未舗装道路を走るなんてことは無いですが、これはなかなか辛いのです。舗装道路は素晴らしい!
部分的に未舗装の道路もあったけど、今後舗装工事が進み、ミャンマーの旅はさらに楽になるでしょう…と喜んでいたら2021/2のクーデターでそれもあやしいですね。
9:30出発13:00到着、3時間半ほどでモウラミャインに着きました。乗合タクシーだとお宿まで行ってくれるので楽です。昔より格段に速い到着でしょう。
川沿いにあるBreeze Gesthouse、一泊¥1318
見所いっぱいのモン族の街モウラミャイン(Mawlamyaing)
モウラミャインはモン族が多いモン州の州都にして、人口50万に近いミャンマー第3の大都会。でも、高層ビルとかないので、そんな大都会という感じは全然しない。
まだ開発が進んでないため、昔風ですごく良い感じ。街中と近郊に見所が多い滞在mustの街。
モン州に関するサイトに移動します。
※ 街のラウンドマークはチャイタンラン・パゴダ(パヤー)、メイの繁華街はサルウィン川から一つ内側に入った Lower Main Rd になります。
中心部のロワーメインロードにはミャンマー風、イスラム風、インド風と様々な建築様式が混在して面白い。イギリスの植民地下だったためコロニアルな家も残る。英の作家ジョージ・オーウェルが警察官として赴任しておりエッセイ『象を撃つ』の舞台。旧名モールメン。
今はそんなにムスリム(イスラム教徒)がいる感じではないが、かつて貿易等で多かったのかモスクやアラビアチックな建物も多い。
サルウィン川に面している。川とは言うが、河口に近いためか川幅すごく広いです。
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街中でけっこう目立つのがインド人。マレーシアやシンガポールと同様イギリスの植民地時代に、主に南インドから労働力として移住させられたインド人の子孫。
タクシーとして走るのがオートリキシャー(インド名)。おそらくインド産。
ミャンマー初ご飯をローカル食堂でいただく。ヒンと呼ばれる主菜を選ぶと、ご飯と野菜煮の副菜を載せたプレートが出てきた。ヒンはミャンマー風カレーで、そんなに辛くはないが油がかなり使われており好き好きが分かれるかな。1人前3500チャット(¥258)。
ミャンマー料理・ヒンに関するブログに移動します。
夜は簡単にエビチャーハン、2000チャット(¥147)せっかくのインディカ米なのにちょっとベチャット系。でも味付けはOKです。
チャイタンランパヤー(KyaikthanlanPaya)で夕陽を見た
モウラミャインのお寺の中でイチオシがここチャイタンランパヤー(パゴダ)。街中の小山の上にそびえる45mのストゥーパ(仏塔)が目印です。夕陽の名所なので夕刻に出かけました。
市場から東に行くとストゥーパに続く屋根付き参道があり徒歩でも行けます。車なら本堂下まで行けてエレベーターであがれます。ヤンゴンのシュエダゴンパゴダの参道はお店と人でいっぱいでしたが、ここは人が少なくて怖い。行きはともかく暗くなる帰りはオススメできない。
大ストゥーパの周辺に小さい礼拝堂がいくつも連なっている。
ミャンマーの仏教はタイ、ラオスと同じく上座部仏教。個人の修行を重視するため出家する人が多い。仏像は色白、ここ東南アジアでは大事、でちょっとデフォルメされた感じ。
ただ仏像の光背(ハロー)が電飾でキラキラ回っているのに違和感を感じるのはトラタロウだけ? 伝統とテクノロジーの融和?
左上画像はゲーム的賽銭機? 賽銭を入れる円い器が回転しており、そこにコインを投げ入れるようだが、入るとご利益が増加? ミャンマーは硬貨が無く紙幣だけなのでコインはどこで入手するの? ツッコミどころが多いです。
875年に建立という由緒ある寺院。そのストゥーパは高さ45mとミャンマーで一番高い、というがそんなに高く見えない。基部になる建物を入れての高さでしょう。
※ ストゥーパ(仏塔)の英語表現がパゴダです。ミャンマー語ではパヤーと言います。
小黄金岩ノアラボーパヤー(NawrlabooPaya)に登る
ピックアップトラックで行く聖地
2019年(令和元年)12月25日(水)
ミャンマーの仏教聖地として有名なのが、落ちそうで落ちないゴールデンロックがあるチャイテーヨーパヤー。ここモウラミャイン近郊にも別のゴールデンロックであるノアラボーパヤーがあるので出かけてみます。
他の行き方のブログに移動します。
ノアラボーパヤーはモウラミャインの北22キロにありますが、ローカル交通機関で簡単にいけます。モウラミャインの北側にかかる大橋の起点ロータリーに行くと、タイでいうソウテンに相当するピックアップトラックが通るルートになってます。
バス停も無く、ピックアップトラックにも行先表示が無く(あってもミャンマー文字ではいかんともしがたい)どの車に乗ればいいか分かりませんが、交通整理のお巡りさんに聞くとノアラボーパヤー行の車を止めてくれました。
後部の荷台は座れるようになっており、30分ほどのドライブでノアラボーパヤー入口に着きます。料金は1人1000チャット(¥74)。
※大橋の起点ロータリーの地図です。ランドマークは郵便局。あとは地元民に聞きましょう。
ここからガウンセー島に渡る船着き場は徒歩20分ほどです。
ノアラボーパヤーの入り口。雨季はガラガラだというが、乾季の今もそんなに参拝客は多くありませんでした。
入口から進むと数軒の食堂、土産物屋があるくらい。上はミャンマーでクーンと呼ばれる嗜好品。キンマの葉に檳榔樹(びんろうじゅ)の実、石灰、好みの香料を包み、ガムのように嚙んでいると軽い酩酊作用があるといいます。
東南アジア、台湾からインドにかけて見られる嗜好品で何回も試みていますが、いまだに何が良いのか分からない。噛んでいると口の中が赤く染まります。
クーンに関するサイトに移動します。
ノアラボーパヤーは山頂にあり荷台に座席をつけたトラックで行きます。料金1000チャット(¥74)。急坂をジェットコースターのように上り下りするので迫力満点、写真はやめたほうが無難、中腹まで登ると視界が開け左上にゴールデンロックが見えてきます。
トラックを降りるとすぐ入口があります。ヤンゴンのシュエダゴンパヤーは外国人有料ですが、ここはまだ無料です。
岩の上にそびえるのがパヤー(仏塔)です。この中に収められた仏陀の髪の霊力により巨岩のバランスが保たれ落ちないとか。お参りすると当然霊験あらたか功徳が積まれます。
さらに功徳を積みたい場合は岩に金箔を貼りましょう。1枚500チャット(¥37)
女性の参拝者が多いようだが、チャイティーヨのゴールデンロックは女性接触禁止なのに対し、ここは女性も触れるかららしい。
モウラミャインの街に戻り、ローカル食堂でお昼ご飯を頂く。
豚肉のヒン(油カレー煮)セット1500チャット(¥110)。
ガウンセー島にも行ってみた
サルウィン川の大橋近くの川辺に行くとガウンセー島がみえる。島全体がサンホーシン寺院というお寺で、あまたの小寺院、仏塔が建立される名所。
島内はパヤー(仏塔)だらけ。パヤーの建立は大変功徳を積む行為とされている。
散策モウラミャインの街と市場、そして美味しい物
最大の都市ヤンゴンは巨大ショッピングモールができたりして、開発の波がおとずれているが、ここモウラミャインはまだまだ昔の風情が残っていて、街歩きには楽しい場所だ。
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右はインドでいうオートリクシャー、三輪バイクタクシーである。後部に座席があり2人乗れる、実際には乗れる限り乗せるけど。
値段は交渉だが、1km¥50くらいの感覚。
インドではボラれるが、ミャンマー人はまだスレてないので大丈夫。
前列左からドリアン、マンゴー、柿、シュガーアップル
中列左からパイナップル、ドラゴンフルーツ、緑の小さいのは不明、その後ろにランブータン
上はミャンマーを代表する麺料理のひとつモヒンガー。ナマズでダシをとったスープで米麺をいただきます。まだ外食産業が未熟だった18年前もこれだけは美味かった。500チャット(¥37)
上の2品はお宿近くのレストラン。期待もせず注文したらメチャクチャ美味かった。
色々な味をもとめるため同じ店には二回行かないのが普通だが、ここは通ってしまった。店名不明、グーグルマップで調べてもミャンマー語でした。
南インド食堂があったのでマトン・カレーセット。3000チャット(¥221)
ミャンマー風カレーのヒンと見た目は同じだが、こちらの方が辛いがあっさりしている。
世界最大ウィンセントーヤ(WinSeinTawYa)の寝釈迦像
モウラミャインの南24Kmのチャウッタロン村に巨大な寝釈迦像が建立中というので見にいきました。
ゼージーマーケット近くから南部行き中距離バスがでる。1500チャット(¥110)
30分ほどでウィンセントーヤに着く。ゲートから寝釈迦像まで1.5kmぐらいある。客待ちバイクタクシーも見当たらなかったので歩いて行こう。
Q、お釈迦様と仏様の違いは何でしょうか?
A、仏様とは仏教では最高の存在で、「真理に目覚めた存在」という意味の仏陀に由来します。
仏様は如来と菩薩に分かれますが複数おられます。大日如来、薬師如来、観音菩薩、地蔵菩薩などで、宗派や寺院により中心になってお祀りするご本尊が違いますが、みんな仏様。
お釈迦様とはシャカ族の王子ゴータマ・シッダールタが仏陀になられた後の尊称です。
つまり仏様とは役職名、お釈迦様とは個人名、と考えると解りやすいですね。
寝釈迦像は全長183m、高さ28m。初代ウルトラマンが40mなので大人と幼児くらいの差がありますね。初代ゴジラは50mなのでペットくらいの大きさ。ビルの高層化に合わせて身長118.5mにチェンジしたシン・ゴジラでもかないません。
立像としてはインドの「統一の像」が240mと世界一ですが、仰臥像としてはこれが世界一。
ウィンセントーヤは地名で、仏像の名はジナトゥカヤンアウンチャンダ(Zinathuka Yan Aung Chantha)というそうです。
1体でもすごいのに、さらに追加するこの情熱はなに? 実は仏像建立はストゥーパ建立と並んで徳を積む行為であり、計画者から建設者から資金寄付者まで関連する全員を救う尊い行為。
もちろんお参りする人も功徳が積めてみんな幸せ。 ALL WIN WIN
断崖の山の上にもお寺がありました。こういう場所に作ると功徳が積めるのかも。
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