南西インド旅行記第4弾はカルナータカ州の最北部の都市ビジャープル。かつてイスラム王朝の都として栄えた城壁都市でした。現在は地方都市ですが王廟・モスク・城壁跡などかつての栄華をしのばせる遺構が残ります。観光資源は多いのですが、まだあまり開発されていない穴場かな。
※ この旅行記は2017年(平成29年)12/20~2018年1/8までのものです。
物価・レート・日本換算金額は当時のものです。1USドル=¥113
1インドルピー=¥1.8 で計算しています。
ビジャープル(BIJAPUR)は旧王都
バーダーミからバスで移動です
2017年(平成29年)12/29(金)
3泊したバーダーミからバスでビジャープルに移動。直通便は無かったのでバガルコットで乗り換えし、4時間ほどで到着しました。
バーダーミからバガルコットまでは40ルピー=¥72。バガルコットからビジャープルは90ルピー=¥162でした。
湖の上にかかる橋を通過。湖かと思ったらクリシュナ川の広い部分だったみたい。
ホテル近所の遺跡がバラカマン廟
カルナータカ州の北部に位置する人口25万人ほどの都市。15~17世紀にはスンナ派イスラム王朝であるビジャープル王国の都として栄えた。市内では当時の栄華を物語る廟・モスク・城壁などが散見できます。
市の中心部を貫くのがMGロード。MGはインド独立の父マハトマ・ガンジーの略。インドの都市にはよくある名前ですね。
バスターミナルなるから市場通りを500mほど北上するとMGロード。その交差点に面した Hotel VKG Lodge に宿をとりました。1泊750ルピー=¥1350、エアコン無しですがこの時期のデカン高原なら必要は感じませんでした。
ちょっと遅いお昼ご飯は近所のミールス屋へ。インドのお昼ご飯の定番がミールス(北インドではターリー)と呼ばれる定食。ご飯やチャパティ類に数種類のおかずがつく物で、安くて美味しい。地域や店で様々なバリエーションがあり飽きません。詳しくはこちらをご覧ください。
世界のB級グルメ/03 ターリー(ミールス)in インド
バラカマン(Bara Kaman) は1672年から工事が始まった王廟のひとつ。未完に終わったがアーチ構造が残り、周囲は公園に整備されている。
市場を廻ってみました
MGロードとバスターミナルを結ぶあたりが市場。このあたりの中心都市なのでなかなかにぎやかな市場が連なります。
インドの主な宗教はヒンドゥー教ですが、人口の約14%がムスリム(イスラム教徒)でインドネシア、パキスタンに続く世界第3位のイスラム教国でもあります。
インド最後の王朝ムガル帝国はイスラム王朝でもありました。ここもビジャープルもイスラム王朝があったので、他の土地よりムスリムが多そうです。ちなみにイスラム教とヒンドゥー教はあまり仲はよろしくない。
サトウキビ原産地のインドはお菓子天国。様々なお菓子がありますがその代表がジャレビ(Jalebi)。ゆるい小麦粉生地を油鍋にしぼり、揚げたてをシロップに浸けこみます。揚げたてはすごく美味しいが超甘々なので食べるのは1~2ヶで十分。
トラタロウが現在すむマレーシアにもありますが、ここのは甘さ控えめで日本人にはインド物より美味しい。
インドでは子供や女学生を除いて女性は民族衣装を着るのが普通。サリー姿(地域によってはパンジャービドレス)がほとんどで、成人女性が洋装した姿はほぼ見ません。
夕食は近所の屋台でチキン揚げを購入。
イブラヒーム・ローザなどの遺跡を巡ります
2017年(平成29年)12/30(土)
ビジャープルはムガル帝国のアウラングゼーブ帝に征服されるまで、アーディル・シャー朝が9代に渡って支配した旧王都だった所。今日は歩いて遺跡・遺構を巡ります。
アパリ・バージ(Uppali Burj)
MGロードを西に向かい、北上すると城のような遺構が見えてきます。かつて街を囲んでいた城壁は無くなりましたが、見張りの搭が残されていた。階段で上に登れます、無料。
見張り台からの眺めです。
見張り台より西に進むと城壁が保存されている庭園があり、巨大な大砲が残される。
イブラヒーム・ローザ(Ibrahim Rauza)
ビジャープルで一番の名所。イブラヒーム王とその妃タージ・スルターナの廟とモスク。
インドは紅茶の国だが国民的飲料がミルク紅茶である「チャイ」。紅茶にミルクではなく、茶葉・砂糖・ミルクを一緒に煮込むロイヤルミルクティー的な作り方。
あちらこちらに路上のチャイ屋台があり、甘くて濃厚なチャイは旅の疲れを癒してくれます。ただ安い屋台チャイはミルクではなく植物性の代用品使用みたい。
お昼ご飯は各種カレーと主食のセットであるミールス(ターリー)。インドの主食は多彩だが、ここではチャパティ生地を揚げたプーリーでちょっと豪華。それなのに70ルピー=¥126と安いくてお得。さらにライスまで追加された。
インドの主食については、こちらもご覧ください。
世界のB級グルメ/15 朝食 in インド
モスク前で休んでいたら豪華装飾の馬車がきて貫禄のある老人が降りてこられた。なにやらトラタロウ一行に興味を持たれ、懐からカップケーキを取り出し下された。
あまり知られていませんが、イスラム教に僧侶はいません。ただ地元で礼拝の指導などをするイマームやイスラム法学者ウラマーなど僧侶的役割の人々がおり尊敬されています。
アサール・マハル(Asar Mahal)
かつての宮殿の一部で、後に裁判所に使われていた建物。現在は女人禁制のモスク。
ゴール・グンバズ(Golgumbaz)で観光はおしまい
2017年(平成29年)12/31(日)
MGロードの西側に位置する7代君主ムハンマド・アーディル・シャーの廟はMUST観光地のひとつ。「円形のドーム」を意味するがドーム建築としてはバチカンに次ぐ世界2位だとか。
今晩の夜行バスでゴアに行く予定だが、何だか体調不良。昼に宿をチェックアウトして公園でダラダラすごします。
ビジャープルは陸路で行くと大変ですが、郊外にビジャヤプラ空港があるので空路ならアクセス良好かな。徒歩圏内に遺跡・遺構があるし、イスラムとインドらしい風景が見られるのでオススメです。
海外旅行記NO57 南西インド ⑤ ゴア編 に続きます。現在鋭意制作中。
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