アルヘシラスから鉄道でロンダに行きます。断崖の上に造られた古くから続く街ですが、断崖を分断する峡谷に石造りのヌエボ橋が架けられて新・旧市街を結ぶフォトジェニックな場所。
近くには白い家々が集まる村セテニルがあり、アンダルシアの中心都市セビリアにも行けます。スペインの観光地の中ではマイナーですが、メジャーな場所は1回目で行ってますので…24年前だけど。
※ 1ユーロ=¥122 で計算
※ トップ画像はロンダの断崖に架かるヌエボ橋
断崖絶壁の街ロンダ(Ronda)に向かいます
2016年12月29日(木)
アルヘシラス駅から15:30発の普通列車でロンダに出発。運賃11.1ユーロ(¥1354)、所要1時間40分ほど。
Renfe( レンフェ )はスペイン国鉄です。農村風景の中をゆっくり進みます。
夕刻に着いて宿へ。もうすぐ日暮れ時だが少しだけ街を散策してみた。
石造りの街を歩きます
アラメダ タホ公園(Alameda del tajo)から眼下を見れば
2016年(平成28年)12月30日(金)
けわしい台地の上に造られたロンダの街ですが、街の西に整備された公園は断崖の上。展望台から眼下の田園地帯を一望できます。
グーグルマップをレイヤ(航空写真)モードにしてもらうと、台地の上に立つ街の様子が分かりやすくなります。西側は断崖、東側は斜面になってます。
ロンダはローマ時代の将軍スキピオの遠征時代に原型ができたとされる古い街。ローマ、ゲルマン、イスラム、アラゴンと支配者が変わってきた。戦乱に備えて防御に適した高台に市街地が発展してきたのだ。
白亜の街はその歴史と美しさのため多くの旅人を魅了し、ヘミングウェイやO・ウェルズも訪れている。
ロンダ闘牛場
公園に隣接して建つのが1785年に完成した直径66mの闘牛場。ロンダは闘牛士が赤い布(ムレータ)で牛をさばくスペイン式闘牛様式を作った伝説的闘牛士フランシスコ・ロメセが生まれた街。
旧市街をさまよいます
ヌエボ橋を渡ると狭い旧市街。街の西側は断崖だが、東側は斜面で白い家が立ち並ぶ。
2200年前には街の原型ができたとか。
ヌエボ橋(Puente Nuevo)を見上げてみました
ロンダ観光のハイライトが新旧両市街を結ぶヌエボ橋。グアダレビン川の流れでできたロンダ峡谷に分断される街をつなぐ橋で、18世紀に34年の歳月をかけて架けられたとか。長さ約66m、高さ98mと縦横の比がおかしいが、その姿を見れば納得。
※ 東側の旧市街からヌエボ橋を見上げるビューポイントに下る道があります。
橋の設計者はアラゴン出身のマルティン・デ・アルデウエラで、ロンダの闘牛場、クエンカの教会・祈祷所などを設計した18世紀のスペインを代表する建築家。橋は1759年~1793年にかけて建てられた。ちなみに橋の名はただ「新しい橋」というだけ。
白い家々の村セテニル(Setenil)です
アンダルシア地方の名物はプエブロ・ブランコと呼ばれる白壁の家々が集まった村。ギリシャの島々の町村もそうですが、全体を白壁の家で統一すると太陽光を反射して暑さが和らぐそうです。
ロンダ近郊の村セテニルもそんな白い村ですが、もう一つ特徴があります。ロンダからバスで行ってみました。
ロンダ・セテニル間のバスは少ない。8:00台の始発で行く予定だったが、乗り損ねたので先にヌエボ橋に行った。でもこれはヌエボ橋が逆光のなるので写真的には失敗。
11:45のバスでセテニルに行くが、田舎バスだと思ったら長距離にも使えそうな大型バス。こいつが途中の村の狭い道を進むのがすごいと思った。信号も無いので40分もかからず到着。
人口2800人の村に到着。正式名は見所案内板にも書いてあるがセニテル・デ・ラス・ボデガスと長い。イスラム占領時代にはムーア人(北アフリカから来たイスラム教徒)が住んでいた。
アンダルシアのどこにもありそうな白い村のひとつだが、多くのガイドブックに紹介されるゆえんがこれ。村の中を流れるトレホ川の浸食によって巨大な岩が庇(ひさし)のような形に形成され、これを屋根として家が建てられているのです。
画像はCuva del Sol (太陽の洞窟)と呼ばれる中心部
セビリア(Sevilla)にも寄ってみます
次の目的地はマドリッド周辺の古い街。とりあえずマドリッドに行きたいが田舎のロンダからだとバス便も無し。アンダルシアの中心都市で州都でもあるセビリアに向かいます。
※ Sevilla はセビーリャ、セビージャ、セビーヤと色々なカタカナ読みがあります。スペイン語的には正しくないかもしれませんが、一番日本で知られるセビリアに統一します。
一路州都へバス移動
ロンダから18:00のバス、12.64ユーロ(¥1542)でセビリアへ向かいます。遠いかと思ったが1時間45分で着いてしまった。ただバスターミナルからお宿へのバスが分からず1時間歩いて行きました。
大聖堂周辺を歩いてみました
2016年(平成28年)12月31日(土)
セルビアからマドリッドへは夜行バスで行けるかかと思っていたら、大晦日・元旦の休日ダイヤでバス便は激減、夜行便も無し。日本なら休日増便となるが、スペインでは逆でした。
奮発して夕方に高速鉄道で行くことにしますが、それまで世界遺産でもある大聖堂のまわりを散策してみました。
だいたいの教会は入場無料が多いがここは有料。しかも10ユーロ以上とお高い。以前なら入ったが自分に教会建築への造詣・興味が無いので有料ならパスです。
セビリア大聖堂(Catedral de Sevilla)
116m×76mの規模があり、世界で3番目に大きい大聖堂。元はモスクだった建物をレコンキスタ(イスラム勢力の駆逐)後に大聖堂に改装し1528年に完成したとか。
ちなみに世界最大はバチカンの聖ピエトロ寺院、次いでロンドンの聖ポール寺院だそうです。1番目は納得だが、2番目はそうだったのかという感じ。
大聖堂そしてセルビアのシンボルといえるのがヒラルダの塔(95.5m)。元はモスクのミナレット(尖塔)だったのを改装。この規模だと原型のモスクの巨大さも気になってしまうな。
マドリッドに出発です
※ 『セビリアの理髪師』はロッシーニ作のオペラ。貴族の恋愛を理髪師フィガロが助ける、という内容。フィガロといえばモーツァルトの『フィガロの結婚』も有名ですが同じ人物。原作が同じ物語シリーズなので不思議はないようです。
16:45発の高速鉄道AVE(アベ)でマドリッドに出発。471kmを2時間半で走破。セビリアーマドリッドは1992年に開業した最初のAVE路線です。セビリア万博開催に合わせました。
バルで簡単に夕食、全部で13ユーロ(¥1586)
明日は元旦だが、朝から城壁都市アビラに行きます。
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