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海外旅行記NO55 スペイン・ポルトガルちょこっとモロッコ④ジブラルタル編

 モロッコのタンジェから再度スペインにジブラルタル海峡を越えて戻ります。港湾都市アルヘシラスの対岸に巨大な岩山が見えますが、これがジブラルタル海峡の名前の起源となったジブラルタル・ロック。この巨岩の下に広がる狭い街が、スペインの中にある英領ジブラルタルです。
 歴史と因縁に満ちた街ジブラルタルを訪問してみました。

※ トップ画像はジブラルタル・ロックの展望台からの風景です

※ 2022年末よりマレーシアに移住し、クアラルンプールに住んでいます。
   姉妹ブログとして『KLダイアリートラタロウ』を立ち上げました。
   まだコンテンツは少ないですが、よろしければ見てください。

目次

モロッコのタンジェからスペインへ戻ります

タンジェ
タンジェに別れを告げます

2016年(平成28年)12月28日(水)
14:00発の高速船でタンジェを離れ、スペインのタリファに向かいます。風が強く沖は白波が立つ状態で、欠航が危ぶまれましたが、1時間遅れで15:00出航、16:00にはタリファに着きました。

タンジェ拡大
タンジェのカスバ中心部
フェリー
ジブラルタル海峡を渡る高速フェリー
タンジェ2
港を離れると白波、船酔いを恐れて船室で目をつぶっていました

  乗物酔い(船酔い)防止の秘伝(というほどの事はありませんが)をお伝えします
 子供は乗物酔いになりやすいですが、大人になると平気になりますよね。トラタロウも、もう乗物酔いなんかにはならない、と信じていたら2001年夏マルタ島からシチリア島に向かう船が大揺れに揺れて船酔いしました。情けないのは2005年夏にメキシコでシュノーケリングをしていたら波が荒かったので酔いました。新しい自分を発見する事は大事ですが、実は自分が船酔いに弱かったという事実は発見したくなかったです。
 乗物酔いの原因はいろいろありますが「動揺病」と言われるように乗物からの揺れるという情報を、三半規管や目・体がうまく処理できない事が主な原因のようです。トラタロウの場合は単純に目をつぶることにより、目からの情報流入をカットしたらどんなに荒れた海でも船酔いしなくなりました
 思えば1994年冬にペルーはナスカの地上絵上空で、旋回するセスナ機の中で酔ったのもこれが原因。あの時目をつむっていたら酔わなかったのに…それじゃ地上絵見えないじゃん。悩ましいところですね。

切符
380デイラハム(¥4560)
画像をクリックすると拡大します
行程図
タリファ着後、陸路でアルヘシラスに行く
タリファ港
タリファの港に着きました
聖人像
防波堤の先端に聖人像?右奥に城が見える
虹
雨が降ったのか虹が出ています
画像をクリックすると拡大します
タリファ城
タリファ城の天守が見える

 タリファ(Tarifa)はイベリア半島最南端にある街で、モロッコのタンジェとフェリーで結ばれています。
 960年に建てられたタリファ城(グスマン城)と古い町並みが残るので、余裕があれば見物したい所でした。
 ベルベル人の支配者タリフ・イブンマリクが街の名の語源ですが、この港町で商人に税を課したことから英語のTarifu(関税、運賃・料金表などの意)という言葉ができた(他にも諸説あり)と言われます。

アルヘシラス
フェリー料金に組み込まれたバスで20km離れたアルヘシラスに到着
宿1
安宿街で27ユーロ(¥3294)の宿に泊まる
宿2
ベッド・机・椅子しかないシンプルな部屋
キャバブ屋
近くのキャバブ屋で夕食
ピタ
ピタキャバブ、3ユーロ(¥366)
ハンバーガー
ハンバーガーも3ユーロ
ヤテモコ

 YATEMOKOなるブランドのカップ麺を朝食用に購入。1.35ユーロ(¥165)だが、麺もスープもそんなに美味しくはなかった。味の素とも提携しているスペインではメジャーなカップ麺で、YAKISOBAは美味しいという日本人からの評価もあったけど。

英領ジブラルタル(Gibraltar)に行きました

バスでラ・リネアに向かいます

  2016年(平成28年)12月29日(木)
 英領ジブラルタル行きのバスというのはありません。公式にはスペインは英領ジブラルタルを認めていないので、隣接する街ラ・リネアに行き、歩いてジブラルタルに入るのです。

バスターミナル
アルヘシラスのバスターミナル
ラリネア
ラ・リネア行きのバス、2.45ユーロ(¥299)
ザ・ロック1
アルヘシラスの市街地を抜けると前方に巨大な岩ジブラルタルのシンボル「ザ・ロック」です
行程図
1時間ほどで着きます

 8世紀初頭、ターリク・イブン・ズィヤードを頭とするイスラム教徒軍がジブラルタルを占領しました。
 岩山はアラビア語で「ジブル・アル・ターリク」(ターリクの岩山)と呼ばれ、これが変化してジブラルタルになります。今は岩山は「ザ・ロック」とも呼ばれています。

ザ・ロック2
岩山の全体も見えた
ザ・ロック3
近づくとでかいぜ

 ジブラルタルは南北5km、東西1.2km、面積6.5㎡の半島状の土地で、半分以上は巨大な岩山ジブラルタル・ロック、通称「ザ・ロック」に占められています。古来からジブラルタル海峡を制圧する要衝のひとつとして、フェニキア人、ローマ帝国、ゲルマン人、イスラム勢力と支配者が移り変わってきました。
 現在ここがイギリスの海外領土になっているのも1701年からのスペイン継承戦争でイギリが占領し、1713年のユトレヒト条約でイギリスが確保したからです。
 それから300年、当然スペインは奪回したいのですが、いろいろあって失敗、現在に至っております。かつてはイギリスの地中海支配の要でしたが、現在もイギリス海軍が駐留しています。

検問所
左手前にスペイン国旗、右手奥にイギリス国旗が見える検問所

 スペイン側からジブラルタルに入るには検問所を通ります。観光客はパスポートを見せて通りますが、スペインは英領ジブラルタルを認めてないので国境ではありません。かなりのスペイン人が通勤で入っていきますが、その人たちはパスポートなど必要なし。スペイン的にはスペインの土地にスペイン人が行くだけ、ですので。

ジブラルタル国際空港でしかできない珍?体験

珍体験
珍体験実行中、生まれて初めての体験です

 半島の付け根にあるジブラルタル国際空港では、他の空港では絶対できない珍?体験ができます。それは「滑走路の上を歩く」こと。
 なんだそんなことか、と思われるでしょうが、そんな危険なことが許可される空港はありません。でも、ジブラルタルは狭いので街に入るのには、滑走路上に設定された道路を通るしかないのです。結果的に滑走路上を歩くことになります。

ジブラルタル図
不自然に作られた空港、これしか無かったのね
空港俯瞰写真
赤い線が検問所から街中に通じる
「ウィンストン・チャーチル・アベニュー」
街に入る唯一の道路は滑走路を横切る
遮断機
両側にある遮断機
滑走路
1628m×46mの滑走路

 あいにく飛行機の離発着は見られませんでしたが、離発着時は両端の遮断機が降ろされ、エンジンに吸い込まないようにゴミ拾いが行われ、車輛の侵入を防止するバリアーが設置されるそうです。

警告
滑走路を横切っているから速やかに進め、だそうです
駐機
旅客機が駐機していました
軍用機
軍用機もありました

 この空港はパイロットが選ぶ、ヨーロッパで一番離発着しにくい空港(世界でも5本の指に入るとか)だそうです。
 狭い場所に無理やり作った空港なので、滑走路が狭くて短い、のも理由ですが、東側からの侵入では巨大な「ザ・ロック」が実に邪魔になるそうです
 年間4000回以上の離発着があるので、事故が起こらないといいですね。

街の中を歩いてみました

トンネル
ランドポート・トンネルを抜けると市街地に入れます
トンネル出口
トンネルの出口
ポンド表示
通貨がユーロからポンドに変わりました

 英領ジブラルタルは人口3万人ほどのイギリスの海外領土です。以前はイギリスが地中海を制圧するためのコテコテの軍事拠点でしたが、現在は貿易や観光にも力を入れています。
 イギリス人しか住んでいないと思ったら、英系は3割以下でスペイン、イタリア、ポルトガル系の住民も多いようです。もはやジブラルタル人と言ったほうが良いですね。
 通貨もポンドですが、正確には英ポンドと等価とされるジブラルタルポンドを使っています。英ポンドも使えるそうですが、Gポンドは本国では使えないとか。

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この記事を書いた人

 トラタロウは元世界史・地理の教員です。授業のネタにするため毎夏・冬休みにバックパッカーとして海外旅行に出かけ、83ヶ国を訪れました。旅行情報や旅ネタ、海外食生活を紹介していこうと思います。
 2022年(令和4年)末よりマレーシアに移住しました。クアラルンプールに住み、姉妹ブログ『KLダイアリートラタロウ』を作って、移住やマレーシアの情報を発信しています。よろしかったらご覧ください。
https://www.logrecodocu.website/
 
 

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