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行けるかな自転車旅行・浜松~静岡~三島(下)

目次

静岡・清水といえば三保の松原

 一泊二日のショートツーリング2日目です。早朝にテントをたたみ用宗を出発。静岡に来たのなら世界遺産・三保の松原をひと目見ようと思います。

用宗漁港
朝の用宗漁港

 用宗を出て、150号線を行けば清水に続く海岸道路。三保の松原まで平坦な道を20キロの楽勝コースと思っていたら、強い逆風で大変でした。

久能山
前方左手の山に石垣?

 右手に海、左手に山が続きますが、山の斜面に石垣や門が見えます。何かな?

久能山入口
東照宮入口に続く土産物屋街

 久能山東照宮でした。徳川家康を祀る東照宮といえば日光ですが、駿府(静岡市)は家康終焉の地であるため、ここにも東照宮があるのです。造られた経緯や順番でいえば、日光より久能山の方が元祖かもしれない、というのが静岡県民的意見。
 詳しくは久能山東照宮公式ウェブサイトを見てください。

 このあたり久能海岸と呼ばれ、日本平の南斜面を利用した石垣いちごで有名です。
1月~5月のシーズン中はいちご狩りがオススメ。
静岡県/久能いちご狩りサイトに移動します。

三保の松原入口
三保の松原入口、浜辺へ続きます

 静岡市清水区にある長さ7キロの浜辺に3万本の松林が三保の松原背景に富士山をおいた写真が定番の観光名所で、富士山に関連する世界遺産の一部です。
 詳しいコンテンツが静岡市観光ガイド/三保の松原、とてもよく分かりますし、静岡県の様々な名所をまとめた力作です。

富士山
こんな写真が撮りたい

 現実には春から秋には難しいですね。富士山がこのように見える率は夏場で1割以下、春秋は幸運なら、冬場の午前中なら五分五分ぐらいかな。

羽衣の松
羽衣の松

 羽衣伝説は日本各地にあるそうですが、ここ三保の松原も有名な伝説地のひとつ。
天女が羽衣をかけた、という松の古木がありますが…。

三代目の看板
ルパン・ザ・サードと同じだな

 今の羽衣の松は三代目。二代目は2013年に立ち枯れて伐採されたそうです。古木じゃないと格好がつかないので、近くに四代目や五代目の候補松もあるのかな、あるんだろうな。

 ちなみにシーチキン缶詰で有名なはごろもフーズは静岡・清水の会社で、社名もここからつけられました。

海と断崖の間を往けば、さった峠由比

エスパルスドリームプラザ
清水を通過中に観覧車発見

 清水の港に隣接する複合テーマパーク、エスパルスドリームプラザでした。ちびまる子ちゃんランドや清水すし横丁などが入ってます。
 エスパルスドリームプラザ公式サイトに移動します。

さった峠の裏
海岸に面した断崖

 清水から興津を通過すると国道1号線は、海と断崖にはさまれた狭い場所を通ります。この切り立った断崖のあたりがさった峠。東海道の難所であり、富士山の名風景のひとつ。

さった峠からの富士山
海側から東名高速、国道1号線、東海道本線。新幹線はトンネルで見えません。

 さった峠の上から見える富士山。興津由比からアクセスできるハイキング・コースとしてオススメです。展望台にはライブカメラが設置され、東名高速の渋滞ニュースなどによく使われるため、静岡県民にはなじみのある画像ですね。
 静岡市HP/さった峠展望台アクセスに移動します。

さった峠近辺の構想民家
さった峠近辺の民家、手前は東海道本線の線路

 海と断崖の間の狭い空間しかないため、民家も高層化していました。


由比
由比の町並み、左手奥のアーチの上にはサクラエビ

 三保の松原から約20キロで由比に到着。サクラエビの水揚げ東海道五十三次の宿場町由比正雪の生地、と属性テンコ盛りですね。

サクラエビかき揚げ
サクラエビのかき揚げ、個人的には一番おいしい食べ方

 サクラエビは深海にいる小型のエビで、日本ではほぼ駿河湾でしか獲れません。1894年由比の漁師が、誤って深場に網を入れてしまったら獲れたのが始まりと言われています。近年すごい不漁が県内ニュースで伝えられています。食べるなら今かも
 JF由比漁協HPに移動します。

由比本陣公園
由比本陣公園

 名物サクラエビを食べるだけでなく由比正雪の生家安藤広重美術館おもしろ宿場館など歴史的な見どころも多い。一度行ってみて損はありません。
 マップルTRAVELGUIDE/由比に移動します。

コロナ下でも元気な観光地ぬまづみなと

富士市
富士市ですが、なにこの写真?

 残念ながらツーリング中は2日とも曇り。富士市で富士山が目の当たりに見えるはずが、雲の中でした。次の目的地は沼津。

沼津港
沼津港、一見ただの港です

 用宗から76.6キロ、7時間で沼津につきました。 
 沼津港は20年ぐらい前から港の観光化を進め、様々な観光施設を整備してきました。
ぬまづみなと商店街港八十三番地を中心とする観光区域に成長しています。
 ぬまづみなとHPに移動します。

今、水門「びゅうお」を観光船がくぐり抜けようとしています

 津波から港や街を守る水門も展望台にしてしまいました。30メートルの展望台から360度の展望が得られ、晴れていれば富士山もくっきり見えます。
 沼津観光ポータル/沼津港大型展望水門「びゅうお」に移動します。

 

ぬまずみなと商店街
ぬまづみなと商店街

 干物を中心とした海産物がかなりリーズナブル価格でオススメです。コロナ下の平日なのに観光客の数も多く、頑張ってます。

沼津港深海水族館
沼津港深海水族館シーラカンスミュージアム

 水深2500mと深い駿河湾の名産タカアシガニ冷凍シーラカンスが展示のメイン。このあたりは港八十三番地という区画で、経営が違うらしいがツーリストには関係ないお話。
 沼津港深海水族館サイトに移動します。

ラブライブ!サンシャイン!!
聖地巡礼客をあてこんだデコレ、ちなみにここは干物屋です

 アニメの中には実在の街を舞台にして、実在の風景を入れ込んだものがあり、熱心なファンがその風景を見に現地を訪れることを聖地巡礼と称します。観光客の増加になるので、制作時から自治体とタイアップすることも当たり前になっています。
 沼津も『ラブライブ!サンシャイン!!』という少女アイドルグループをテーマにしたアニメの舞台で、聖地巡礼に出かけるファンも多いとか。
 ラブライブ!サンシャイン!!公式ウエッブに移動します。

転車台
天竜二股駅の転車台、貴重な設備で鉄道ファンにも人気とか

 トラタロウの住む浜松も、いくつかのアニメの舞台になっています、例えば

  • 苺ましまろ…佐鳴湖周辺など
  • ガヴリールドロップアウト…弁天島(アニメでは舞天島)、渚園周辺
  • Planetarian…アクトタワー、ザザシティなど中心街
  • ゆるキャン…渚園オートキャンプ場、浜名湖周辺
  • シン・エヴァンゲリオン劇場版…天竜浜名湖鉄道・天竜二俣駅転車台

 苺ましまろの時は、聖地巡礼=観光資源という概念がまだ薄かったのと、舞台の多くが住宅地域だったので巡礼者が不審者あつかいされ、苦情がきたそうです。たしかに事情を知らなければ住宅地で写真撮っているファンは不審者にほかなりませんよね(苦笑)。
 キャラを描いた痛タクシーが3台作られたローカルニュースの記憶があります。


PS…車体にアニメのキャラをデカデカと描いた車を痛車(いたしゃ)と申します。名前の由来は「なにこれ」という一般人の視線が痛いかららしい。実際にはペイントではなく、特なステッカーを貼るようで、近年個人で注文する人も増えてます。ほしい方は下記のサイトへどうぞ。
 痛車ステッカー製作専門店販売サイトへ移動します。

魚フライ定食
お得なランチでした

 港町に来たので魚介を食べようとミックスフライ・ランチ。魚介フライ5種、お刺身、小鉢、みそ汁、ご飯で税込み¥1000はお得。味よし、盛りよし、お値段よしの超オススメ。

丸笑
炙り屋丸笑(マルショウ)壱号店

 でもこの店は、ぬまづみなと商店街の飲食店ではありません。あそこの飲食はさすがに観光地価格だったので、自転車の機動力をいかして沼津駅周辺でよい店を探しました。街中なので駐車の便は悪いですが、駅から徒歩圏内のオススメの店。駅近くにも別な店があるようです。

最終目的地は天下の清流です柿田川

柿田川公園
入場無料、駐車場完備、アクセス便利

 岐阜の長良川、高知の四万十川と並ぶ日本三大清流が静岡の柿田川であることは、あまり知られていません。何しろ他のふたつがそれなりの大きさの川であるのに対し、柿田川は全長1.2キロ、日本一短い一級河川と規模が比較にならないくらい小さいので。
 国指定天然記念物かきたがわ/リーフレットに移動します。

案内板
案内板、三島じゃなくて清水町という所でした

 三島市内にあるイメージでしたが、隣の清水町でした。まあほとんど同じ区域のようです。田舎じゃなくて意外に都市部にあり、隣には大きなショッピングモールもあります。

柿田川湧水群源流
第一展望台からの風景

 緑に囲まれた川の源流。ここから湧き出す水から柿田川が始まります。日本の名水百選では柿田川湧水群として登録されています。

湧水地
中央部が湧水地です

 何か所もある湧水地の一つ。水中で透明な冷たい水が湧き出る映像は、夏季の県内ニュースでよく取り上げられるため、静岡県民に親しまれている場所。でも初めて来ました。

 

遊歩道図
遊歩道図

 湧き間(わきま)と呼ばれる湧水地を巡るように遊歩道が作られてます。ゆっくり巡っても1時間ぐらいでOK.

第二展望台
第二展望台

 円いのは昔、紡績工場が井戸として使っていたものです。

井戸の跡
井戸の跡

 神秘的なコバルトブルーの清らかな水ですね。水温は夏でも冬でも15℃くらい。富士山周辺の雨雪が地下に浸み込み、30年くらいかかって湧き出しました。

木製八つ橋
船付場の井戸跡

 木製八つ橋と呼ばれる遊歩道をゆけば、2つの井戸跡。製紙工場が使っていたとか。

柿田川の風景
自然に満ちた柿田川の風景(現在は)

 手つかずの自然が残っているようですが、かつては湧水を求める工場が建てられ魚も住まない川だったそうです。1970年代からナショナルトラスト運動により自然を復活させる活動が始まり、清らかな川が戻りました。

三島駅
三島駅

 3キロほど北上すれば三島駅。自転車を輪行袋に入れて新幹線で帰途につきました。
 2日で走行距離217.5キロ
 費用は食費¥2874、温泉¥800、新幹線¥4200で計¥7874でした。
 観光費は入場料のかかる所には一切行かなかったので無しです。

 九州一周の予行演習としてのツーリングでしたが、自転車は毎日のように乗っていたので、20年ぶりの長距離ツーリングでもなんとかなりました。
 行けるかな自転車旅行・九州一周①福岡・佐賀編 に続きます

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この記事を書いた人

 トラタロウは元世界史・地理の教員です。授業のネタにするため毎夏・冬休みにバックパッカーとして海外旅行に出かけ、83ヶ国を訪れました。旅行情報や旅ネタ、海外食生活を紹介していこうと思います。
 2022年(令和4年)末よりマレーシアに移住しました。クアラルンプールに住み、姉妹ブログ『KLダイアリートラタロウ』を作って、移住やマレーシアの情報を発信しています。よろしかったらご覧ください。
https://www.logrecodocu.website/
 
 

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