第65回目の海外旅行はタイ東北部のイサーン地方とラオス南部。
第三弾はイサーン地方最東端の都市ウボン・ラーチャターニーからメコン河を越えてラオスに入ってみました。ヴィエンチャンから北のラオスは2009年に行ったことがありますが、南部は初めてです。パークセーとサワンナケートのみでまたタイに戻ります。
※ 2025年1/4(土)~1/26(日)の記録です
1タイ・バーツ=¥4.5 1000ラオス・キープ=¥7.2 で計算しています

この5日間の滞在費は¥23244、1日平均¥4649です。移動2回と遺跡見学の交通費などがかかりちょっと高め。
総費用は
・航空券1人¥14250 ×2
・海外旅行保険 ¥4393
・現地滞在費 ¥103931(2人分)
総計 ¥136824 1人あたり¥68412でした。

パークセー(Pakxe)編
国際バスで3時間の旅
2025年(令和7年)1/12(日)
ウボン・ラーチャターニーのバスターミナルからラオスのパークセーに行く直通バスが9:30、15:00に出ています。
国境の町チョーンメック(Chong Mek)で1泊してみようかとも思いましたが、あまり見所もなさそうなので直通で行きました。

郊外にあるバスターミナルに行くソンテウ(乗り合い軽トラバス)が出ている、とも聞いたが日曜日の早朝のためか走っていない。タクシーも無く、通りかかったトゥクトゥク(70バーツ・¥315)で行きました。20分くらいかかり、けっこう遠い感じ。


出発の1時間前ぐらいに着いたのでバス座席は無事Get 。でも満車で出発したのでギリギリに着くと乗れない可能性もあります。まあ、チョーンメックまで中距離ワゴン車で行って、国境を越えた所の町ワンタオ(Wang Tao)でパークセー行の乗り合いトラック等に乗って行くことも可能ですが。


2時間ほどでタイ側国境のあるチョーンメックに到着し無事タイを出国。土日は1人5バーツの手数料を取られるとか。バス内で小銭を集めていたので、これかと思いましたがトラタロウ一行は取られませんでした。イミグレーションでも特に請求はされなかった。


日本人は15日以内ならビザもいらないのでラオス入国もスムーズ。陸路出入国は島国日本では体験できないので昔はドキドキしました。でも何十回もやっているともう普通の行為ですね。
一番厳しかったのが1996年のパキスタン・インド(いろいろあって大変仲が悪い)国境だったかな。今はどうなっているのでしょうか。
※ 最近の旅行者の印パ国境越えの旅行記をチェックしたら現在も厳しいようです。まあ、日本人はそんなに厳しくされないのも同じようですが。


タイ・ラオス国境はメコン河が自然国境になっている場所が多いのですが、この辺りは両岸ともラオス領。国境から30分ほどでメコン河に着き、日本の援助で架橋したラオ・日本橋を渡るとパークセーの街になります。
お宿に行って夕食です
パークセーはチャンパーサック県の県都でこのあたり有数の大都市(というかヴィエンチャン、サワンナケートに次いで3番目、それでも人口は10万人いないが)。タラート・ダーオフアンという大きな市場に近隣から買い出し客がつめかけます。
市内にはさほど見所は無いが、世界遺産チャンパーサック仏教遺跡やメコン河の滝・小島を訪れる入り口です。空港もあります。
バスはパークセーの名前も知らないような、小さなバスターミナルに到着。街中まで3Kmもないはずだが、トゥクトゥクは1人200バーツなどとボッてきます。
しばらく待ち、客にあぶれたトゥクトゥクと交渉、2人80バーツ(¥360)でお宿に行ってもらうが、これでも高いな。

パークセーの宿は LANKHAM HOTEL 。メイン道路の国道13号線に面した老舗ホテル。1泊¥2141、両替も可能、周辺に外国人目当ての宿が多い、小市場も近い。


LANKHAM HOTEL の南側はフランス統治時代からの旧市街なのか、ルアン寺、ランドマーク、おしゃれな建物、市場などが広がっており、見所の少ないパークセー市内で訪れても良い所。
バイドンパクセー市場は食堂街があるが小さい。でも他には安く食べられる所が無いのか白人ツーリストも来ていた。バリエーションが少ないので翌日からは大市場で買出し。



バイドン市場の食堂で肉入り米麺(30千キープ=¥216)をいただく。野菜がついてくるので、これを好きなだけちぎって入れると美味しい。




お宿近辺の店は外国人ツーリスト向け。夕食もまた市場食堂に行きました。
でもあんまり美味しくないな。おまけにタイと比べてもそんなに安くない。
通貨安で輸入品が値上がりしたのとインフレの影響かな。




ラオス通貨はキープ(Kip)。2019年から下落が続き2024年には最安値つけました。
ゼロが多くて大変なようですが、下3桁は無視してしまえばOK。1000キープ=¥7.2で計算しています。肖像画はすべて革命のリーダーだったカイソーン首相。
世界遺産ワット・プー遺跡公園
2025年(令和7年)1/13(月)

パークセーから50Kmほど南のチャンパーサックに世界遺産の仏教遺跡ワット・プーがあります。そんなに遠くはないが公共交通機関が少なく、トゥクトゥクをチャーター。

まで値段交渉

チャンパーサックは県の名前にもなっている昔の都。でも現在はパークセーが中心で完全に田舎の町。公共交通機関は市場からのソンテオ(乗り合い軽トラバス)くらいで、行ったは良いが帰りの便があるかは不明です。安いのでトゥクトゥクをチャーターするのが無難ですね。
以前は船でメコン河を渡る必要がありましたが、現在は新しい道ができてパークセーから1時間もかかりません。チャンパーサックの町はメコン河沿いにゲストハウスがあるぐらい。遺跡は町はずれにあります。


世界遺産ワット・プー遺跡公園
18~20世紀にこのあたりを支配したチャンパーサック王国があった地。10~13世紀には東南アジア中心部を支配したクメール王朝のもとヒンドゥー教寺院が作られます。やがて上座仏教寺院に改修されました。

クメール王朝とは?
タイ東北部イサーン地方やラオス南部を周ると仏教遺跡の解説にクメール王朝(アンコール王朝)という名称がたびたび出てきます。これは9~15世紀に東南アジア中心部(現カンボジアを中心にタイ、ラオス、ベトナムのかなりを含む)を支配した大王朝です。
現在「クメール」と言うとカンボジアの民族、文化などを意味します。

現シェムリアップが中心地で、アンコールワットを含む巨大なアンコール遺跡群が残されています。ここはアンコール朝衰退後はジャングルにのまれていましたが、1860年に仏学者により発見され世界的に有名になりました。
アンコール朝は最初はヒンドゥー教を信奉する王朝でしたが、やがて上座仏教に帰依したためアンコールワットなども仏教寺院に改修されました。ただヒンドゥー教と仏教は親戚関係にあり、ヒンドゥー教の神々の多くは仏教守護神として信仰されています。象の顔のガネーシャ神は仏教では歓喜天と呼ばれ仏教寺院でも祀られています。

入り口から電動バスで山門まで送ってくれます。







プラーサート(宮殿)と呼ばれる



遺跡見学は2時間もあればOK。パークセーから8時出発、12時帰着です。
ダーオフアン市場
遺跡からパークセーに戻るが、途中の市場で降ろしてもらう。次は市場見物。

ラオス南部最大級規模の市場があります。パークセー市の需要だけでなく、近隣町村からも買出しに来る活気のある市場。
タイ語で市場は「タラート」ですが、ラオ語も同じ。両国語は同じ系統で、文字もクメール文字からの派生なので共通点が多いみたい。
特にタイ東北部イサーン地方は昔は同じ国でラオ族も多いので、文化がかなり共通しているます。現在ラオスはタイからの輸入品(娯楽用DVDなど)が多いのでタイ語を理解する人が多いらしい。
このあたりは国境が近いので市場でもタイ・バーツが普通に使えます。ただレートは悪いので、ある程度滞在するなら両替した方が得です。





お昼は市場食堂で麺をいただきます。基本はメニューが無いし、あっても英語表記じゃないので、美味しそうな物があったら指さし注文。白い米麺と黄色い中華麺、野菜付きで40千キープ(¥288)。




キンマの葉に砕いたビンロウの実、石灰、香料を入れて噛みます。軽い覚醒・興奮作用があり、東南アジア~南アジアにかけての伝統的大人の嗜好品。
トラタロウもあちらこちらで試していますが、そのすさまじい味のため作用を感じる前に吐き出してしまいます。依存性と発がん性があるので問題視されていますが、日本人がはまることは無いと思います。
・噛むと唾液がでますが飲み込まず吐き出します。化学変化で赤い唾液になります。
・これが普及している国は口腔がんが多いとか。
・インド周辺ではパーン屋台があり、好みに応じて中身を調合してくれます。
・台湾ではきわどい衣装の女の子(檳榔西施という、西施は古代中国の美女)がこれを売るサービス?があります。近年規制が厳しく、なかなかお目にかかれないようですが。
・スリランカではキンマの葉は大変良い物とされ、諸行事・贈り物の際に使われるそうです。
※ ビンロウの記述は 世界のB級グルメ/20 単品物・スナック・お菓子 in スリランカ を一部流用しています。


ラオスは米食の国ですが、なぜかお米は「もち米」が中心。地形や土壌がうるち米よりもち米に向いているとか。カオニャオと呼ばれるもち米はフワットで蒸してティップ・カオで携帯します。


夕食は市場で調達。フランスパン¥70、豚肉煮・空芯菜炒め¥288、デザート¥144、焼き春巻き¥144 など。
ワット・プーサラオ に ハイキング
2025年(令和7年)1/14(火)
ラオス南部もメコン河の滝や自然に興味があれば訪れる場所が多いのでしょう。でも興味が無いのでパークセーでブラブラします。午前中はメコン河の対岸にあるお寺に行ってみました。

ワット・ルアン
旧市街の中心的なお寺みたい。パークセーで一番大きいとか。でも朝は静かなものです。

に至る絵物語がありました


右手の山にお寺があります


ワット・プーサラオはラオ・日本橋を渡った所にある山にあります。車で下の参道までいけますし、遠回りになりますがお寺までも車で行けます。まあ、そんなに急ぐ訳でもないので、風景を楽しみつつ歩いて行きます。

メコン河にかかるラオ・日本橋を渡ります。日本の援助で作られた全長1380mの橋。ベトナム・ラオス・タイを結ぶルートの一端。






橋を渡って少し行くと左手に駐車場と小規模ながらお土産屋・食堂があります。門前町と言うほどではありませんが、そこから山を登る参道に入ります。


参道の左右には多頭のナーガ(蛇神)がいて、その胴体が欄干になっていました。石段に階数が書いてあり、頂上まで続くのかなと思ったら100段ちょっとで終了。ペンキが尽きたのかな(笑)。
最初の石段は急こう配ですが、その後は緩やかな坂道。そんなに暑くない乾季なら楽勝。



金の仏像の先は平坦地でお寺の境内。なかなか立派な本堂にお参りです。御本尊の右側に僧侶の生き人形が安置されていました。高僧も崇拝の対象なのかな。
展望台もあり、ここで夕日を見るのも良いという感想もあります。



市内の雑景






東南アジア諸国のどこでも華人(中国系)はいるがラオスは人口の3%台。23%のマレーシアや10%のタイに比べると少ないが影響は見えます。






夕食はダーオフアン市場で仕入れる。鶏・豚串焼き、ソーセージ、茹で野菜、カオニャオ、ゴマ団子など計67千キープ(¥482)でした。
サワンナケート(Savannakhet)編
乗り合いワゴン車で移動します
パークセーからサワンナケートに移動するにはバス。でもサワンナケート方面へのバスが出そうなバスターミナルは市内から少し遠い。お宿近くの旧市街に小さなバスターミナル(Chitpasong Bus Station)があったので聞いてみると、サワンナケート行のワゴン車運行がありました。

長距離バスが出るには中途半端な距離
サワンナケート行きは1日に6本。7:30、09:00、11;00、13:30、15:00、16:00。他は長距離の大型バスが夕刻から各方面に出るみたい。サワンナケートからの便ここにも到着するので、このあたりに宿泊するなら便利なバスターミナルです。

托鉢のお坊さんと犬がいた


1人130千キープ(¥936)

田舎の町々を経由しながら走ります。一応主要街道なので舗装はされており、車も日本製なので快適。道々お客を乗降させながら進むのだ。


市場とお宿です
サワンナケートは人口12万人のサワンナケート県の県都。メコン河に面した街で対岸はタイの街ムクダハーンになります。

バスターミナルは街はずれにあり、近くにサワンサイ市場があるので寄ってみました。最大の市場は空港の東みたいだが、ここもなかなか大きい。



パークセーもそうだったが、市場で「味王」というロゴが入った赤いエプロン装着の女性が異常に多い。この旅行記内でそのエプロンが登場する画像をチェックしたら7枚もあった。調べてみたら台湾のうま味調味料メーカー。販促に大量に配ったのかな。




サワンナケートのお宿は XAYTHONE GUEST HOUSE 。バスターミナルから伸びる大通りを歩いて30分。ルートは単純だが、道に番地が書いて所が無い多く、グーグルマップとか使えないと迷います。
ゲストハウスだが規模はかなり大きい。でもオフシーズンのためか、1階のすごく広い豪華部屋に通されました。1泊¥2007、バーツ払いも可能。街の中心部へは徒歩10分。
夜市はメコン河のほとりです

首都ヴィエンチャンに次ぐ人口を抱え、国際空港まである街と聞くと、どんな大都会かと思います。実際には田舎の街としか言えない。メインストリートの国道沿いに商店・食堂は点在するが、2階建てが多く、高層ビルなんてありません。小さな街でカワイイのです。
サワンナケートを調べるとサワンナケート県が出てきたりします。これは県名と県都名が同じため。またカイソーン・ポムウィハーンという初代首相な名が出てきます。これは旧名カンタブリーを2005年に改名したため。一般には街はサワンナケート(またはサバンナケット)と呼ばれます。




ここ最近の旅行がベトナム、スリランカ、タイ、そしてここラオス。共通するのが全部仏教国であること。そしてどの国も野犬(飼われているかもしれないが、首輪とか無いので)が多い。
仏教の教えで生き物をいじめないのだろうが、狂犬病の危険があるので困る。あれは発症すると治療手段が無いのでほぼ死んじゃいます。




街をぶらぶらします
2025年(令和7年)1/16(木)
サワンナケートはあまり観光資源が無い。郊外にタート・インハンというありがたいお寺があるらしいが、仏教寺院は食傷気味。恐竜の化石が発見されるので、博物館があるがこれも興味無し。
まあ、街をブラブラします。

犬が骨をかじっていた




メコン河を渡ればすぐタイ領で渡し舟が停泊していた。これが使えれば楽なのだが、外国人はバスで第二タイ・ラオス友好橋を渡らなければいけない。



ラオス第2の都市とは思えないローカル度。まあ、首都ヴィエンチャンでさえ人口60万人代というありさまなのでこんなものでしょう。




ラオスの物価は物によるがけして安くない。特に工業製品はほぼ輸入なので高い様子。タイ経由で来る物も多いのでコストがかさみ、タイより高くなったりします。

パークセーで見たのと同じかな

佐川急便は昔中国に中古トラックを寄贈しており、中国で見たことがあります。調べると近年ラオスにも寄贈している模様。クアラルンプールではクロネコヤマトを見るが、これは進出しています。





時計回りに
ご飯…10千キープ(¥72)
茹で野菜…10千キープ(¥72)
餅菓子…10千キープ(¥72)
焼鳥4本…19千キープ(¥137)
ソーセージ…12千キープ(¥87)
合計¥440です


明日のタイ行きバス代を除くと手持ちのラオス・キープは残りわずか。焼きおにぎりとお菓子を買って全額使い切りました。


明日はメコン河を渡って対岸のタイに戻ります。
海外旅行記NO65 タイ東北部・ラオス南部 ④ムクダハーン、ローイェット編 鋭意制作中
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