現地食探求はバックパッカーのたしなみ。世界のB級グルメを紹介します。今日のお題はフィリピンの大衆食堂であるカレンデリア。東南アジアによくある大衆食堂の形として、たくさん並んでいるオカズから好みの物を選び、米飯とセットにする形式があります。マレーシア、インドネシアではナシ・チャンプルー、ベトナムではクアンコム・ビンザンと呼ばれていますが、フィリピンのそれがカレンデリア( Carinderia または Karinderia )。手軽に安く様々なフィリピン家庭料理が食べられる店です。
世界のB級グルメ/06 ナシ・チャンプル in マレーシア に移動します。
世界のB級グルメ/17 (クアン)コムビンザン in ベトナム に移動します。
※ これらの店は衛生管理があやしい所もあります。自分でよくチェックして利用してください。
カレンデリアはどんな店かな?
フィリピンのいたる所にあります。バイクで寄りやすい大通りにもあれば、地域住民をあてこんで住宅地の路地、市場やバスターミナルなど人の集まる所などに多い。逆に地価の高い高級繁華街にはありませんね。


近所のおばちゃんがやっているような店が多いので、看板さえ無い所が多いです。その地域では「〇〇さんの店」で通ってしまうのでしょう。




カレンデリアの特徴は店の前にバットや鍋に入った10~20種類ほどのオカズが並んでいること。現物が見えているので言葉の不自由な外国人にも選びやすいのが助かります。逆にメニューはありません。たまに蓋をされた鍋に入っている店がありますが、言えば蓋を取って見せてくれます。


店によりますが肉系オカズが多いのです。肉のみと肉・野菜ミックスが多く、野菜のみのオカズが少ない。どうもフィリピン人は「肉こそ王道」と思っているみたい。さすが平均年齢27歳の国はちがうね、日本なんて50歳だ。でも肉は高いので懐事情によると思いますが。


ちなみにトラタロウが現在住むマレーシアも肉好きの傾向があります。さらにフィリピンより経済力があるため肉・油脂多め・米飯大盛の食事をガンガン食べています。結果として成人の半数が肥満かそれに近い状態。甘い飲料も好きなため実に成人の2割が糖尿病だとか。


カレンデリアでの注文の仕方は?
基本オカズの皿を指さすだけでOK。フィリピンは英語がかなり通じるので、美味しそうな物を指さして「This one」とでも言えば通じます。
少しフィリピン料理を調べ「アドボ?」「トルタン・タロン?」と気になる料理名を言えば「鶏肉のならあるよ」「これがそうだよ」と教えてくれるので、それを注文するのもあり。
ご飯はカップに詰めて型抜きしてくれるので、数を指定。軽く食べるなら1カップで十分。
オカズは何品頼んでもよいが、しょっぱい物もあるので2~3品にしておいた方が無難。追加は後からでもできますので。具無しのスープがつくことが多い。

スプーンとフォークで食べるのが一般的。スプーン・フォークを熱湯殺菌する保管容器があったりします。
フィリピンも手食(てしょく・手で食べること)文化圏ですので手で食べる人もいます。でも薄いビニール手袋をはめて手食する人もいて、これが近代化?なのかなと思いました。フライドチキンをビニール手袋で食べるのは理にかなっているね。



「暑い国の料理は辛い」という先入観がありますが、意外やフィリピン料理は辛くありません。辛味が欲しい場合は卓上にある辛味調味料を使います。


店によってはカラマンシー(小粒のライム)が置かれています。フィリピン人は酸味が効いた料理が好きで、これを様々な料理(特にスープや麺系)に絞るのが好き。ナイフが置いてあったら自分で切って絞ります。

飲料はジュースやコーラがあるので欲しければ注文。水が出る所もありますが、水や氷の衛生状態があやしいかも。
店で食べる他にも近所の人がオカズだけ買いにきたりします。東南アジアでよく見ますが、ビニール袋に入れてくれます。
プラスチックか紙の容器に入れてお弁当として持ち帰りも可能。「Take out」か「To go」というアメリカ英語の表現で通じます。お店で食べるなら「Here」ですね。


こんなオカズ(ウラム・Ulam)を食べました
※ カレンデリアで食べたオカズを紹介します。フィリピンも広く、島が多いので地域差が多いと思いますが、以下に紹介する物はルソン島北部とマニラで食べた物。
① アボド(Abodo) フィリピンを代表する料理でどこのカレンデリアにもあります。スペイン語の漬け込む(Adobar)が語源と言われ、醤油・酢に漬け込んだ豚・鶏肉を煮込んだ物。醤油味の肉と言うとスキヤキのような甘辛味を期待しますが、これは甘味が少なく塩気が強いものが多かった。
② トルタン・タロン(Tortang Talong) ナスを開いて卵液をつけて焼いた料理。ナスと油は相性が良いものですが、これに卵が加わるとまた一味違います。


③ レチョン・カワリ(Lechon Kawali) レチョンはフィリピン名物の豚の丸焼きですが、いつでもどこでも有るわけではありません。レチョン・カワリは中華鍋のようなカワリ鍋で作る丸焼きの代用品です。
豚バラ肉を調味料を入れて茹であげ、カワリ鍋で揚げた物。カリッと揚げられた豚皮の食感は丸焼きのそれに勝るとも劣りません。そのまま食べても美味しいが、マリネしたり醤油味で煮つけた物もよい。


④ チキンカレー(Chicken Curry) 見た目そのまんまのチキンのカレー煮。スパイシーな料理が少ないフィリピンにしては珍しいと思ったが全然辛くありませんでした。
⑤ イニハウ・ナ・リエンポ(Inihaw na Liempo) 豚バラ肉を醬油ベースのタレに漬け込み、炭火で焼き上げた物。日本人好みの味で美味だが、バラ肉のままだと食べにくいので切ってもらうとよい。
⑥ ギナタン・カラバサ(Ginataang Kalabasa) ギナタンは「ココナッツミルクで調理された物」の意でカラバサはカボチャ。しょっぱい系が多いフィリピン料理だが、これはココナッツミルクとカボチャの甘味がからんで、とてもマイルドな味。ちなみにギナタン・ビロビロというココナッツミルク汁粉みたいな菓子がある。


⑦ チャプスイ(Chopsuey) 中華料理から派生した野菜炒め。野菜料理が少ないフィリピンで八宝菜のように多彩な野菜が使われている料理は貴重です。
⑧ ギニサン・アンパラヤ(Ginisang Ampaiaya) ギニサンが「炒める」でアンパラヤが「ゴーヤ」。沖縄のゴーヤーチャンプルーとほぼ同じ。


⑨ ロンガニーサ(Longganisa) 豚を食べる国には必ずソーセージあり。市場では豚の腸に具を詰めて作る風景が見られます。フィリピン流はニンニクを入れるところらしい。
⑩ スキンレス(Skinless) ロンガニーサの具をラップなどで包んで形成した皮無しソーセージ。細長い肉団子という風情で、甘辛の味付けが日本人向き。
⑪ スクランブルエッグのトマト煮 フィリピンではスクランブルエッグにトマトが定番。この組み合わせは中国やトルコでも見かけました。中国語だと西紅柿炒鶏蛋と言います。


⑫ ピナクベット(Pinakbet) 今回探訪のメインのひとつルソン島北西部イロカノ地方名物の野菜煮込み。
⑬ キラウィン(Kirawin) 酸味の効いた料理好きのフィリピン人は肉・魚まで酢の物にします。魚の酢の物だとキニラウ(Kinilaw)と言うことが多いとか。
⑭ レチョン・ギナタン(Lechon Ginataang) カリカリ揚げ豚のレチョン・カワリを野菜と一緒にココナッツミルク仕立てにしました。


⑮ カレカレ(Kare-Kare) ピーナッツソースをベースにした牛肉のシチューで、祭りの日のご馳走のひとつ。バゴーンというアミのペーストを付け合せにする。

⑯ フィリピンはイカも好きで、醤油煮、墨煮などにします。イカはタガログ語でプシット(pusit)と言うらしいが、スペイン語のカラマレス(Calamares)という表現も見ます。㎰ イカリングやスルメもあり。

カレンデリアに見るフィリピン料理の傾向
・大量のご飯を少しのオカズで食べるという発展途上国型の食生活が残る。このような国が少し豊かになると糖質は十分以上に食べられるようになるので肥満率は上昇。フィリピンも成人の4割以上が肥満となっています。
・前述のようにオカズは量はないが味つけは濃い目。醤油(トゥヨ)が調味料の基本だが、甘辛の味を期待しても甘が少なく辛(しょっぱい)が強調されている。
ちなみにアメリカの醤油味(テリヤキと呼ばれる)は甘辛の甘が異常に強く、それはそれで困る。

・主食は米。KFCでさえチキンに米飯が提供される。ただインディカ米(南方系の米でパラパラ)が主流なのに、炊飯器が普及したためかベチャベチャのご飯が多い。
・暑いためか酢(スーカ)を効かせたオカズが多い。酢以外にもカラマンシー(小粒のライム)をかけるのが好き。
・魚醤油(パティス)やバゴーン(アミ調味料)でうま味を加えている。
・暑い国はエネルギーが必要なので揚げ物や油物が好き。

・フィリピンでローカル食ばかり食べていると問題なのが野菜不足。カレンデリアに野菜料理(特に生野菜)は少ないのです。
理由としては「野菜など添え物、肉こそ王道」という考えが強い。島と山地が多いため、流通の関係で野菜が案外高い、などが挙げられます。
フィリピン滞在24日間で生野菜を食べた記憶がありません。塩漬け卵とトマトのサラダが有名というが見たことが無い。

・肉は豚肉が中心で豚の丸焼き(レチョン・バボイ)が名物。次いで鶏・牛そして山羊も食べます。肉は高いので他の国ではあまり使わない鶏の頭や腸も焼き鳥に使われている。
・暑い国の料理は辛い、スパイシーというイメージがあるが、フィリピン料理で辛い物はまれ。豚肉のココナッツミルク煮ビコール・エクスプレスがピリ辛。

カレンデリアが無理な場合は?
カレンデリアは地元民向けの大衆食堂ですので衛生状態、雰囲気などで外国人は入りにくい所もあります。実際カレンデリアで食べている外国人は見たことがありません。
レストランなら問題ありませんが、フィリピンは階級社会なのでそこはかなり格上の場所。両者の中間に位置するのがファストフード店で Jollibee(フライドチキン)、Mang Inasal(鶏もも焼き)、Chowking(中華)が地元3大店で、フィリピンの味を楽しめます。ファストフード店ですが、フィリピンのそれは日本人の感覚より格上の店。またモールのフードコートでも地元飯が食べられます。



とりあえずカレンデリアについてまとめてみましたが、ルソン島北部とマニラのそれしか知りません。また他の地域にも旅行して情報を充実させたいですね。
※ 今回の旅行の記録はこちら
海外旅行記NO67 フィリピン・ルソン島北部とマニラ① バナウエ、ボントック編 に移動します。

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